実みつるのPreプログラミング

プログラミングの学習を考えている方へ

2-1 大なり小なり

第二章 比較

比較とは、「比べる」事です。この言葉は「アメリカと日本の文化について比較する」といった使われ方もしますが、コンピューターにおける比較はもっと単純です。説明を読んでいくと拍子抜けするかもしれませんが、この比較ができるという事が革新的なのです。

例えば、「以下の式の結果はどちらが大きいか」を判断する場合、皆さんはどうしますか。

 

式①: 100-56

式②: 100÷2

 

暗算でもできる簡単な問題ですが、仮に式が複雑になったら筆算、もしくは電卓を使いそれぞれの答えを求めて比べるのではないでしょうか。ここで重要なのは、大小の判断は電卓ではなく人間が行っているという事です。

 

既に述べた通り、コンピューターはこの比較を自分でやってしまいます。つまり、式①の答えと式②の答えは、式②の方が大きいと判断できるのです。一方、電卓にはできないことは明白です。

 

この「比較ができる」という能力を駆使した結果、現代では様々な事がコンピューターを使って実現できています。

 

(1)大なり小なり

子供の頃、算数で「等号」や「不等号」を学んだことを覚えていますか。

 

等号: =

不等号:<、>

 

等号はイコールなので分かりやすいですね。例えば、

 

A = B

 

と書かれていたら、「AとBは等しい」という意味です。コンピューターにおける「等しい」は「値が一緒」という事です。つまり、Aが1であればBも1、Bが2ならAも2です。

 

ここで、第一章で見てきた「定数」や「変数」と混同されるかもしれませんので、確認をしておきましょう。

 

第一章では、「=」は「←」と考えて下さいと言いましたが、比較の時は違います。比較の時は、「=」は「=を挟んで左右の値が一緒である」という意味になります。

 

では不等号はどうでしょうか。例えば、

 

A > B

 

と書かれていたら、「AはBより大きい」です。逆に、

 

A < B

 

と書かれていたら、「AはBより小さい」です。例えば、Aが1なら、Bは2や5といった値が考えられます。

 

ちなみに算数では、「以上」は「≧」、以下は「≦」と習ったかと思いますが、よくコンピューターではこれを以下の様に表現します。

 

AはB以上の値である: A >=(或いは=>) B

AはB以下の値である: A <=(或いは=<) B

 

この場合、両式ともAが1ならBも1の可能性が有るという意味になります。先ほどの「より大きい」や「より小さい」はその可能性が有りません。

 

 

学校の勉強の復習みたいになりましたが、如何でしたでしょうか。次回は「文字の大小」という事について考えていきたいと思います。